先日に引きつづき「8月2日に開催された『CONTENT'S FUTURE』刊行記念トークショーでの質問に答えるために、9月1日に放送されたネットラジオ終了後に行われた質疑応答チャットのまとめ」からです。
あるコンテンツが常に手に入ることを、一企業が保証できるとは思えないのですが、その保証は誰が行うべきなんでしょうか? また、「著作物をそれ以上配布しないことを決定する権利」は著作者にあるとは思うのですが、ユーザとしては、自分が購入したコンテンツがそういうものだというのは受け入れられないと(少なくとも今は)思います。
- 質問者 - momoさん
小寺さんの回答
そうですね。確かに、配布システムとして未来永劫存続し続けるというのは、どの企業でも難しいと思います。これは『CONTENT'S FUTURE』の中でも触れてありますが、ゲーム業界では既に起こっていて、ソースが失われた名作ゲームというのも数多くあるという話です。これなんかはディストリビュータは存在するのに、その大元がなくなっちゃったという話ですね。
そこから先は、著作者人格権の範疇になっていくんだろうなと思っています。ディストリビュータが消失してしまった場合は著作者隣接権も消失したと見なして、また著作者が別のディストリビュータに売れるとか、そういうことになるんでしょうね。ニーズがあればの話かもしれませんが。
また「配布しない権利」に関しては、以前著作権保護期間延長に関するコラムで、YMO謝罪事件について言及したことがあります。これが参考になるのではないでしょうか。
ITmedia アンカーデスク:著作権保護期間延長はクリエイターのためになるか (3/3)
津田さんの回答
「一企業が保証できるものとは思えない」というのは僕もまったく同感で、じゃあ誰がやるのかという話になったときに、1つは国が文化政策として予算をかけてやるということがあると思います。具体的には法制化で、企業が潰れない限り、コンテンツの一定のアクセシビリティを義務化するみたいなイメージですね。
ただ、それもかなり現実的には取引コストも高くなるでしょうし、管理しやすいコンテンツとそうでないコンテンツもあるので、大変な部分も多い。それで、この前ICPFのセミナーで白田先生が言っていたのですが、昔のイギリスには「権利の復帰制度」というものがあったそうなんです。
これは、クリエイターが企業などに著作権譲渡した場合でも、一定期間を経ると著作者に権利が自動的に戻ってくるというもので、こういうものが法制度として著作者の権利として確立すれば、一企業が商売にならなくて廃盤・絶版にしちゃったものは即座に著作者に連絡がいって、著作者に権利が戻って、著作者は別の出版社探してもいいし、あとは自分のサイトで無料公開してもいい。
コンテンツが十分に市場に出回らないという問題は、企業によるコンテンツの塩漬けをなくすような法制を行うことで、一定の解決の方向はあるんじゃないかなと僕は思ってます。
