引き続き質疑応答のまとめです。なお、質疑応答をすべて公開したあとで、ネットラジオそのものもPodcastで公開する予定です。
Q.5 著作権などを考える上で、音楽や動画、書籍などのコンテンツと、プログラムなどのソフトウェアは同列に扱っているのか? それとも、少し違うものとして議論されているのか?
違うものとして議論されているのであれば、どういった方向に行っているのか?
プログラマをやっているので、将来のパッケージソフトとかってどうなるのかなぁと思って質問させて頂きました。本質的ではない気はしますがよろしくおねがいします。
- 質問者 - Ryo2.0さん
小寺さんの回答
現時点の著作権法そのものは、コンテンツの種類に関しては区別してないですよね(注:正確には映画だけ区別している)。でもそれが問題だという意見は、議論には上がってきています。延長論で言えば、まさに映画が別格になっているという問題もありますし。
例えば、僕個人の意見では、そもそもソフトウェアというのは著作権で保護すべきものだったのか、ということも考えています。むしろ特許法などのところに組み込むべきではなかったかと。これはたぶん、制作時に自動的に権利が発生するという著作権の簡便さを利用したかった、というところだったのかなと。
この問題も以前、著作権延長問題を考えるフォーラムのトークイベントで話題になったんですが、「そもそもソフトウェアで70年持つものはない」とおっしゃったのがマイクロソフトの最高技術責任者補佐である楠正憲氏というのも、また興味深いところですが。知財のリサイクル、あるいはリユースを考えれば、もっと短くしても、デメリットはないと考えられるわけです。
そういった意味で、本来ならばコンテンツを何もかも同じ法で縛るのはあまり意味がなくて、どういうサービスなのかみたいなサービス法に展開していくべきなのかなとも考えます。
津田さんの回答
僕の方からは、著作権法は大筋のところでは今のままでいい気はしてるんですよ。コンテンツの種類によってあまりにも受け入れられ方や消費のされ方やコピーの流通の規模とかも違っちゃうので、それを個別に著作権法に反映させるとなると、「あっちの業界はああなのになんでうちはこうなんだ」みたいな余計な綱引きとか混乱もたらされちゃうような気はします。
だから、それこそ最低限ベルヌ条約を守りつつ、そこから先の「商業経済的著作物」は、著作権法とは別のルールで対応していかなきゃいけないのかな、という気はしてます。プログラムなんかはそういうものの最たる者じゃないですかね。多分このあたりの議論は、『CONTENT'S FUTURE』の中村伊知哉さんの議論も参考になると思うので、それを見ていただくのもいいと思います。
今の状況としては、経済的利益の大きい、ビジネスベースのプロのクリエイターなり、それを使って商売してる権利者たちが著作者全員を代表するような発言をしているような状況になってますが、実際には経済的利益の順位でいえば低い、ある種「ロングテール」の側にいるアマチュアクリエイターの方が数が多く、問題は著作権法がどっちも均等に保護するってことです。ただ、ロングテール側にいる人々の意見を優先すると、商業著作物なり、プロのクリエイターが保護されないってのも事実ですよね。
だから結局、プロ/アマ全員が満足する著作権法ってのは無理だし、コンテンツの種類を横断的に満足させられるような著作権法ってのも無理なんじゃないかと。だからそこを補強するのは、中村さんが言うような暫定合意なり、もしかしたらDRM技術の進歩なのかもしれないし、経産省や総務省が行う法制なのかもしれない……。それらを複合的かつ同時多発的に進めていくしかないというのが答えになるんでしょうか。

コメント (1)
誰かが言ってましたが、ソフトウェアは料理のレシピみたいなもんだと思います。蕎麦は俺だって打てるけど、蕎麦屋はなくならない。
投稿者: 通りすがり | 2007年11月21日 11:28
日時: 2007年11月21日 11:28