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【Q7】いま審議会で違法複製物や違法サイトからの私的複製を30条から外すべく意見がまとめられようとしているわけですが【みうらゆうさんの質問】

それでは最後の質問です。非常にホットな話題になりましたね。

Q7. いま審議会で、違法複製物や違法サイトからの私的複製を30条から外すべく意見がまとめられようとしているわけですが、その一方で廃盤になった音楽などは私的複製物の貸し借りなどで僅かに流通し伝播してきたということも言えると思います。こうした私的複製物が流れていくことによる音楽文化への効果について、お2人がどうお考えか教えてください。特にライヴブートレグ等についても。

- 質問者 - みうらゆうさん

津田さんの回答1 - 審議会での30条問題について

この前の審議会で「僕、この改正はとても反対でこれが通っちゃうとイヤなんですけど、もう決定なんですか?」と正直なところを言ったら会場苦笑い、みたいなことをやっている俺が答えますよ!

実際に法案が通ったとしても、利用を阻害しないようなことは考えられている、とはなってまして、具体的にいうと、1つは「情を知って」という項目がつくということ。これは、要するに違法なサイトであるということを明確に分かった上でダウンロードしなきゃ違法にはならないよ、ってことですね。「BitTorrnetなんかは、違法な配信にも使われてるけど、合法な配信にも使われてて、ユーザーはどっちか判断つかないけどどうするの?」って質問したら、そのような場合は「情を知って」にはあたらない、とのことだと。だから結論としては、

BitTorrentなら安全だよ!

ということですね。そしてWinnyにも自作のポエムが若干流れてるから、もっともっとみんな自作のポエムをWinnyに流せば「情を知って」にはならないから安心だよ! ということです!!!

というのはもちろん冗談ですけど


この「情を知って」って項目はかなり曖昧なので、実際に権利者が、違法なものダウンロードした利用者が「情を知ってた」って立証するのはほとんど無理みたいなぐらい、細かく証拠をあげなきゃいけないから、実際に「情を知って」という制限が加わることで、ダウンロードした人を刑事罰で逮捕するのはほとんど無理だろうとのことみたいです。

さらに、これについては罰則を設けない。つまり未成年の飲酒喫煙と同じで、発覚したところでそれを罰することができないから、ほとんど意味のない、権利者が「それは犯罪ですよ!」と言えるぐらいしか意味のないことであると。逆に言えば、今はダウンロードが合法になってる状況に対して、パンフレットとか新聞広告で権利者が「違法な著作物のダウンロードは犯罪です!」って言えるように状況を変えたい、という目的があるってことですね。

ただ、罰則はないけど、民事訴訟の対象にはなるから、権利者が思いっ切り頑張って、着うたサイトから何万ファイルもダウンロードした人を特定できたら、それについての損害賠償を請求する民事訴訟は起こせるとのことです。まぁそれでも情を知ってを立証しないといけないから難しいだろうけど、米国でRIAAがやってるような、見せしめ的警告やら民事訴訟やら起こして、よくわからないうちに和解させるみたいな強行戦術を、レコード会社が狂って始める可能性はゼロではなくなるってことですかね。

結局、これが施行されたところで短期的にはほとんど意味はないし、状況も変わらないんだろうけど、実効性がないんだったらわざわざ変えなくてもいいだろ? 常考というのが僕の主張で、悪質なアップローダー運営者もしくはアップしたやつを普通に送信可能化権の範囲で逮捕すればいい、って運用で十分なんじゃないかと思います。

津田さんの回答2 - ブートレグについて

ブートレグの問題は難しいけど、こういうのこそアーティスト側がオフィシャルにコスト安いデジタル音源で配信したり、ライブに「Taper's Ticket」みたいに高い料金設定のチケット買ったら、非商用私的複製の範囲で録音していいよ(もしくはCC付けるとか)、みたいなことをやって、解決していくしかないんじゃないかなと思います。

あと、著作物に関する調査研究がやりにくくなるのは面倒ですが、まぁそのあたりはどっちにしろ法で保証しろってのは難しいイメージがあるので、それはもうグレーだと知りつつやるしかないんじゃないですかねー。

小寺さんの回答

私的複製物の貸し借りですけど、僕が学生の頃は、まさに音楽を沢山聴くためにはこれしか手段がなかったわけです。当時カセットテープ全盛の時代ですね。レンタルレコードもありましたけど、僕らが指向するようなマイナーな音楽って、レンタル屋には置いてないわけですよ。XTCとか(笑)。だから友達とお茶の水行って、オレこれ買うからおまえアレ買って、みたいな感じで、あとでカセット交換とかしてましたね。

で、今デジタル時代になっても、音楽コンテンツが高くて、多感でもっともいろんなものを沢山吸収しなくちゃいけない時期に限って、みんなお金がないという現状があるわけです。そこでデジタル的な窃盗に走るというのは、まあどう考えてもそうさせた社会が悪いわけですよね。昔は友人同士のコピーというのは、零細だからということで見逃されていたわけです。それがデジタルとネットの組織化によって、不特定多数に対して配信できるようになった。送信可能化権なんてのも、そういう流れから出てきたわけです。

僕的には、零細なコピーまで問題視するのであれば、コンテンツの価格をまず下げるということが、社会の本質論として議論されなければならないと思います。貧しいから泥棒する、じゃあ警察力を強化して厳しく逮捕して回るだけで根本的な解決になるのか、と。それだったらまず国を豊かにすることから考えようよ、というのが先進諸国の基本的な考え方ですから、そっちに行くべきだろうと。現に流通コストもかからないツールとしてネットがあるわけですし、CDなんかも版のコストなんか、微々たるもののはずですから。

ブートに関しては、個人的にはほとんど買ったことはないですね。もちろんいくつか買ったことはありますけど、その価格と内容のバランスがあまりにも取れていないので、僕には厳しいかなと。

ただあれはコンテンツそのものの価値と言うよりも、資料的な価値の値段なのかもしれないですね。Zeppelinの全ライブの活動の歴史を調べる資料、みたいな感じで。そういった資料なら資料として、著作物とは別扱いで管理・運用していけば面白いことになるように思います。

質疑応答編は以上で終了です。来週にはネットラジオそのものもPodcastで公開するよう準備中です。

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2007年9月 9日 18:08に投稿されたエントリーのページです。

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