ITの導入効果を経営層に説明するために
中小企業のIT担当者の疑問に答える
ITコーディネータのお悩み相談室(2)
(文=山口康雄)
Question
システムの導入・変更・切り替えなどの必要性を経営者にどうやって説明したらよいでしょうか?
Answer
経営者と情シス担当者で大きく異なるところは、経費の考え方です。多くの経営者は情報システム導入による費用は間接設備投資と考えています。生産設備や人材投入などは直接投資であり、費用対効果が明確なので容易に経営判断を下せますが、間接設備投資は費用対効果がはっきりと見えないために経営判断を行うための材料が不足となり、システム導入に躊躇してしまいます。
したがって経営者の理解を得るためには、情シス担当者はシステム導入の上申を行う際に、経営者の視点に立った戦略を企画立案する必要があります。それには、まずしっかりとした目的と効果を示すことが重要です。次に、費用と適応業務範囲、考えられるリスクなどを提示して経営判断材料を提示しなければなりません。その際には目先の視点だけでなく、長期的視点や客観的視点、さらには競合情報など多面的に分析した情報提供が必要です。
経営者はあらゆる情報を基に会社の舵取りをする判断を行います。判断が容易にできるような多くの情報を提示することにより、情報システム導入への理解も得られるのではないでしょうか。
また、投資リスクをヘッジするために 3ヶ年計画などの 3ステップの導入計画を策定し、1年ごとに効果測定して次ステップへ移るような手法もよいかと思います。
変更・切り替えに関しては、ランニングコストの削減、事業内容変更に伴うシステム拡張などによるシステム見直しを考慮して上記内容と合わせて検討することがよいでしょう。
<著者略歴>
山口 康夫(やまぐち やすお)
1990年より都内の UNIX関連メーカーに勤務し、1999年プラスチック製造企業へ転職。業務改革を主導しキャッシュフロー改善など多くの実績を残し、2001年より取締役副工場長に就任して工場経営を指揮する。2004年にフクジンコンサルタンツ株式会社を設立。ベンダーとユーザー経営層の両面を経験しているコンサルとして、福島県内外で生産管理システム導入支援およびインターネット販売戦略支援を行っている。http://www.fukujinn.com。
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